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経営講座の第104回目です。

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Question
株式の譲渡

当社の専務が高齢のため、取締役を退任することとなりました。
 この専務がわずかではありますが当社の株式を持っているので、社長が
これを買い取ることを検討しています。その場合、株主総会を開催しな
ければいけないと聞いたのですが、本当ですか。なお、当社には社長
と専務の二人しか取締役がいません。

Answer
専務が手放す株式が「譲渡制限株式」であり、貴社に取締役会がない
のであれば、株主総会を開催しなければなりません。詳細は解説を
ご確認ください。

 株式といっても、いろいろな種類があり、その中でも特に代表的なのが
「譲渡制限株式Jです。
 この譲渡制限株式は、「譲渡によりその株式を取得しようとした場合、
会社の承認が必要となる株式」です。日本のほとんどの中小企業が
この制度を採用しています。

 今回、買い取りを検討されている株式が譲渡制限株式かどうかは、
貴社の定款を確認すれば判明します。また、登記もされていますし、
もし、株券が発行されているのであれば、株券にも記載されています。

 貴社の場合、取締役が二人だけとのことですので、取締役会は設置
されていないと考えられます。そして、取締役会が設置されていない
会社の場合、譲渡制限株式の譲渡を承認するのは「株主総会」となる
ため、株主総会を開催する必要があります(取締役会を設置している
会社であれば、原則、取締役会がこの承認手続きを行うこととなります)。
 なお、株主総会での承認決議においては、株式を手放そうとする者
(今回であれば、専務がこれに該当します)は、決議について「特別の
利害関係を有する者」となってしまうため、決議に参加することができま
せん。そのため、専務を除いた株主での承認決議となります。

 このように、ご質問の株式が譲渡制限株式である場合、株主総会の
開催が必要となります。まずは、専務がお持ちの株式の種類を定款や
登記事項証明書でご確認のうえ、必要な手続きに臨んでください。