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経営講座の第105回目です。
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Question
年次有給休暇の取得義務への対応

2019年4月15日に年次有給休暇(年休)を10日付与した社員がいます。
この者は、年休取得義務の対象者だと思いますが、 現在時点に
おいて、 まだ5日の年休を取得していません。 現状での対応について
教えてください。

Answer
1年以内(2020年4月14日まで)に5日年休を取得させる必要があります。
対応については、解説をご確認ください。

2019年4月から、いわゆる「年5日の年休取得義務」がはじまっています。
これは、年休を10日以上付与された方を対象とし、その付与された日
(「基準日」といいます)から1年以内に5日間の年休を取得させなければ
いけないというものです。
つまり、2020年4月より順次、 1年に到達する対象者がでてくることと
なります。 現時点で対応、確認すべきことについてみていきましょう。

■施行から1年を目前として対応・確認すべきこと
@就業規則の確認:会社から時季指定を行う場合は、 対象となる労働
者の範囲および時季指定の方法等について、就業規則に記載しなけ
ればなりません。 まだ就業規則に記載していない場合は、就業規則を
変更します。
※時季指定とは、年休の取得日を決めることをいいます。計画的付与
や本人の指定により5日間取得している者に対しては、会社が時季
指定を行う必要はありません。
A対象となる従業員の確認:2019年4月1日以降において、 一度に
年休が10日以上付与された方が対象となります。 対象となる従業員
および基準日について確認します。
B従業員の取得状況の把握: 使用者は、年次有給管理簿を作成し、
3年間保存する必要があります。作成した管理簿より、いつまでに何日
取得する必要があるのか確認します。
C対象従業員へ時季指定の実施: 就業規則の時季指定の内容にそって
実施します。
また、取得時季について、従業員の意見を聴くことが義務づけられて
います。そのため、意見を聴かず、一方的に「○月○日に取得して
下さい」と指定することはできません。
D今後の対策(考察、見直し、実施):取得できない要因を考察し、今後
に向けて制度等の見直しを実施します(従業員への取得促進の広報
実施や、 時季指定の実施時期の見直し、計画付与・推奨日の導入等。
すでに導入した制度も含む)。

この義務の違反には罰則もあります。現時点において、当初の予定
通り年休が順調に取得されているのか等、会社全体、 および個人の
取得状況を確認する機会とし、今後の対策も検討されることをお勧め
します。