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経営講座の第117回目です。
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Question
役員報酬の上限

当社はそろそろ今期の決算を迎えます。その際、役員報酬を今期よりも
増額しようという話が出ているのですが、法律上の制限や計算方法の
決まりなどはあるのでしようか。

Answer
法律上役員報酬に上限はありませんが、報酬決定の手続については
決まりがあります。
詳細は解説をご確認〈ださい。

取締役や監査役といった役員の報酬について、法律上の制限はありま
せん。ただし、会社法という法律で、役員報酬は株主総会の決議によって
決めなけれぱならないと定められています。株主総会の決議内容として
は、役員個人ごとの報酬額まで決定せずに、その年度の報酬額の総額
を決めておき、「個人別の具体的な報酬の決定については取締役会の
決議で決める」ということも可能です。
また、計算方法の記載も、会社法は定めていません。

このように、役員報酬の決定については株主総会に大きな権限があり、
法律ではほとんど何も決められていません。これは、会社法が想定して
いる典型的な株式会社では、役員と株主が別々で、株主が役員を
コント口一ルするという形態を基本としているからです。

ただ、多くの中小企業の形態である、役員と株主が同一人物という場合
には注意しなけれぱならない点があります。それは、税務署が過大な役員
報酬について損金算入を認めないことがあるということです。 明確に
基準があるわけではありませんが、 例えぱ、会社の収益をはるかに
超える報酬を株主総会で定めた場合、税務署より「過大である」との指摘
が入ることがあるようです。

この点を考慮すると、役員報酬の額の妥当性や計算方法については、
顧問税理士の先生に事前に相談しておかれることも重要といえます。
特に、ご質問のように増額方向での変更をお考えの場合、税務署からの
指摘の可能性もさることながら、税額にも影響を及ぼす可能性があります
特に、会社が支払う税金と役員個人が支払う税金とのトータルバランスを
考えている場合には、税理土の先生と協議してお<ことが必須です。