個人情報保護方針


 

経営講座の第118回目です。
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Question
通勤中に起こした事故の責任

当社は、 通勤途中の事故によるリスクを回避するため、 今までマイ力一
通勤を禁止してきました。ただ、この度の新型コ口ナウイルス感染拡大に
伴い、公共交通機関での出勤を減らすため、マイ力ー通勤を一次的に
許可していました。
社内には、感染拡大が終息した後もマイ力一通勤を許可してほしいという
声があり、検討しているのですが、やはり事故のリスクを懸念しています。
仮に従業員が通勤中に事故の加害者となってしまった場合、 会社には
どのような責任が生じるのでしょうか。

Answer
従業員が通勤中に起こした事故について、法律的には会社が責任を
負う可能性は低いといえます。詳細は解説をご確認〈ださい。

@通勤中の事故に関する賽任
マイカー通勤を許可すると、ご懸念のように、従業員が加害者にも被害者
にもなる可能性があります。被害者となった場合ヽ労災保険上の通勤災害
としてカバーされる場合があり、会社に対しての責任追及も通常は考えら
れません。
加害者となってしまった場合も、会社が法的な責任を負ラことはあまりな
いと考えられています。
法律上、従業員が業務中に第三者に損害を与ぇてしまった場合、その
第三社に対し、従業員だけでなく、使用者である会社も損害賠償責任を
負場合があります(使用者責任)。ただし、これはあ〈まで加害行為が
「業務の執行について」行われたと外形上判断される場合に限られます。
 通勤は業務に必要不可欠な行為ですが、業務そのものではな〈`「業務
の執行」ではないと考えることが一般的です。そのため`マイ力ー通勤中
の従業員が事故の加害者となってしまったとしても、会社に使用者責任
が認められることはあまりないといえます。
A実際上の問題
そうはいっても、被害者の方が同じように考えるとは限りません。特に、
加害者の保険が十分でない場合など、賠償がうま〈行われなぃときに
は、会社に対して何らかのアクションをとる可能性も否定できません。
このようなリスクに備えるには、マイカ一通勤の許可要件を設定し、
厳格に運用することが望ましいといえます。特に`対人ー対物双方に
ついて無制限の補償内容となっている保険への加入を義務付けること
が有益だと思われます。