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経営講座の第41回目です。

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Question
中小企業経営承継円滑化法とは

中小企業経営承継円滑化法の支援策について教えてください。

Answer
平成20年5月に「経営承継円滑化法(中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」が成立し、平成21年4月には経営承継円滑化法改正施行規則、改正税法などが施行され事業承継に関する支援策の充実が図られています。

【支援策】        
@相続税・贈与税の納税猶予制度(事業承継税制)
A民法の遺留分に関する特例
B金融支援

●事業継承の円滑化が重要な理由
中小企業の経営者の平均平均年齢は上昇傾向にあり58歳となっております。高齢化の進む中にあっても事業承継は、対策は先送りにしがちです。
その主な理由は次の通りです。
@経営者にとって遠い将来の話である
A経営者が影響力を維持したい
B「死亡という不幸」を連想させる問題である

●相続税・贈与税の納税猶予制度(事業継承税制)
後継者が相続により、非上場会社の株式を取得し要件を満たす場合には後継者が相続前からすでに保有していた議決権株式を含めて、発行済完全議決権株式総数の3分の2までの部分について課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予されます。
・手続きの流れ
1.相続開始前=経済産業大臣の確認
「経営承継円滑化法」に基づき、後継者が特定されていることや計画的な事業承継に係る取組みを行っていることについて各地域の経済産業局へ申請し「経済産業大臣の確認」を受けます。
2.相続開始後=経済産業大臣の認定
「経営承継円滑化法」に基づき、会社の要件、後継者(相続人等)の要件、先代経営者(被相続人)の要件を満たしていることについて、相続開始後8ケ月以内に各地域の経済産業局へ申請し「経済産業大臣の認定」を受けます。
3.認定取得後から相続税の申告期限まで=申告書の作成・提出
この特例の適用を受ける旨を記載した相続税の申告書及び一定の書類を税務署へ提出するとともに、納税が猶予される相続税額及び利子税の額に見合う担保を提供する必要があります。

●民法の遺留分に関する特例
民法の遺留分とは、相続財産(遺産)のうち、一定の相続人に法律上、かならず残しておかなければならないとされている一定の割合額をいいます。
被相続人(亡<なった方)は贈与や遺贈によってこれを奪うことができません。
例えば相続人が3人いる場合、1人に全財産を相続させると遺言しても他の2人も自分の権利を主張することができます。
これを遺留分減殺請求といいます。
民法上(1028条〜1044条)では、このように定められていますが、経営承継円滑化法では「経営者から後継者に生前贈与された自社株式について」「後継者を含む経営者の推定相続人全員の合意」のもと、特例が設けられています。

1、遺留分算定の基礎財産から除外する「除外特例」
後継者と非後継者で合意があれば、自社株式は遺留分減殺請求の対象から外れるため自社株式が分散することを防止できます。
2、遺留分算定の基礎財産に算入する際の価額を固定する「固定特例」
後継者と非後継者は、生前贈与された自社株式について、遺留分算定の基礎財産に算入する価額を合意時点の価額にすることができます。
後継者は、将来の価値上昇による遺留分の増大を心配することがなくなります。合意の時における相当な価額」は弁護士、公認会計士、税理士の証明が必要です。

●金融支援
【政府系金融機関からの融資】
株式会社日本政策金融公庫が扱っています。
各融資については通常の金利とくらべて利率の低い特別利率が適用されます。沖縄県では沖縄振興開発金融公庫で同様の融資を取り扱っています。
また、株式会社商工組合中央金庫も、独自に事業承継のための融資制度を用意しています。

1、自社株式等の取得を行う会社への融資
2、後継者個人への融資
3、親族外承継を行う場合への融資

○株式会社日本政策金融公庫
http://www.Jfc.go.jp/
事業資金相談ダイヤル 0120-154-505

○株式会社商工組合中央金庫
http://www.shokochukin.co.ip/
お客様相談センター  03-3246-9366

○沖縄振興開発金融公庫
http://www.okinawakouko.go.jp/
代表電話 098-941-1740

【信用保証の活用】
平成20年10月1日以降、経営承継円滑化法に基づ<認定を受けた中小企業者は、事業承継に関する資金を信用保証協会の保証を活用して金融機関から借り入れる場合は、通常の保証枠とは別枠が用意されています。

普通保険:2億円
無担保保険:8,000万円
特別小口保険:1, 250万円

○全国信用保証協会連合会
http://www.zenshinhoren.r.jp/
代表電話 03-3271-7201

【フアンドを活用した支援】
中小企業庁では、中小企業基盤整備機構によるファンド出資事業に取り組んでいます。
事業承継支援としては「事業承継ファンド」への出資を通して、中小企業に対する支援を行っています。

○中小企業基盤整備機構ファンド事業部
電話 03-5470-1570