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経営講座の第70回目です。

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Question
給与の前払いについて

ある従業員から給与を1ケ月分だけ前払いしてくれないかと依頼があり
ました。詳しくは聞いていませんが個人的な買い物の支払いに充てる
そうです。よくやってくれている従業員なので、応じることはやぶさかでは
ないのですが、何か注意しておくことはありますか。
Answer
労働基準法が使用者の義務として定める「非常時払い」ではなく、民事的
な金銭消費貸借に該当すると考えられます。
金銭消費貸借契約を締結され、返済方法などを明確にされることをお勧
めします。

労働基準法の定める「非常時払い」とは、従業員が、出産・疾病・災害・
その他の厚生労働省令が定める非常時の費用に充てるために請求した
場合には、既往の労働に対する賃金を支払期日前であっても、支払う
必要があるという取り決めです。

つまり、“非常時の出費に充てる”という理由がある場合には“既に働いた
分の賃金”は、給料の支払日前であっても、請求があれば従業員に支払う
義務が生じます。

今回のご相談では、“何らかの購入費用に充てる”という理由から、“まだ
働いていない分の賃金”の支払いを求めているというケースと考えられます
ので、上記の非常時払いには該当しません。