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経営講座の第71回目です。

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Question
退職勧奨の注意点

当社では人員余剰が生じており、若干名の解雇を検討しています。
当社の顧問社労士に相談したところ、解雇にはリスクがあるため、
退職勧奨をしてはどうかと提案がありました。
何か気をつけるべきことはありますか。
Answer
退職勧奨とは、会社が従業員に退職を持ちかけることをいいます。
退職勧奨を行い、会社と本人の間で退職する旨の合意が成立すれば
不当解雇などの問題は生じないと考えられていることが多いですが、
労働局やハローワークの見解は異なるようです。
合意の上とはいえ、あくまで会社の働きかけによって、失業者を生じ
させたことになってしまうため、雇用保険制度においては解雇と同等に
扱われます。
そうすると、結果的には、トライアル雇用奨励金などの雇用関係の
助成金について支給制限がなされる可能性がございます。
なお、本人は特定受給資格者となり、失業給付の支給制限はされ
ないため、会社都合で解雇された場合と同等の綺付日数を得ることが
できます。

また、退職勧奨を持ちかける面談が長時間・多数回に上ったり、条件
提示以外にも人格否定や恫喝ともとれる言動があったりすると、判例上
退職強要と判断されてしまうおそれがあります。
(例:1回20分から2時間程度の面談が短期間のうちに10数回行われた
場合)。
退職勧奨を持ちかけること自体は違法ではありませんが、
・交渉を持ちかけた経緯や理由
・本人側のメリット(職務経歴上の円満退職、失業給付は解雇と同様
など)
・応じた場合の金額
・応じない場合の代替案(経緯と理由によりますが、不当とされない
範囲での配置転換など)
といった点を端的に提示し、難航するようであれば、金額や代替案に
ついて譲歩し合うような交渉を心がけられてはいかがかと存じます。