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経営講座の第73回目です。

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Question
老齢厚生年金の受給額を減らす要素

私は法人の代表をしております。65歳です。
先日、役員報酬を大きく下げる代わりに、会社から貸付金の返済や
賃料を受け取ればどうかと助言を受けました。そうすることで、社会
保険料などの負担を減らすことができるそうです。
年金額はどうなりますでしょうか。
これまでは、役員報酬が高額であったので老齢厚生年金を受け取って
いません。

Answer
役員報酬をどの程度まで下げられるか、また本来支給される年金
次第ではありますが、
老齢厚生年金を受け取れる可能性は十分にあります。

老齢厚生年金の制度では、
◆老齢厚生年金の被保険者である場合、
◆70歳を過ぎたことで被保険者でなくなっていても、法人の代表者や
週にフルタイムのおよそ
 3/4以上勤務する労働者である場合
のどちらかに該当する場合には、その報酬額・給与額によって、老齢
厚生年金の支給額が減額されます。
例えば、65歳未満で、特別支給の老齢厚生年金を受け取っている
被保険者であれば、次の3つの合計が28万円を超えることで、一部
または全部の調整を受けます。
なお、65歳以上になれば、28万円が46万円となります
(平成26年6月時点)。
@月々の標準報酬月額
A過去1年間に受け取った賞与の額(標準賞与額)の1/12の額
B老齢厚生年金の月額

ここで、着目していただきたいのは、年金額を減少させるお金の
種類です。
標準報酬月額と標準賞与額、つまりは役員報酬(給料)と賞与ですが
これらは社会保険料がかかるお金です。役員報酬を引き下げることで
標準報酬月額も引き下がる結果、社会保険料の負
担も小さくなります。
他方、貸付金の返済や家賃収入などは、労務提供への対価ではない
ため、社会保険料はかかりません。すなわち、標準報酬月額への算定
には関係しません。
したがって、これらを受け取っていても、老齢厚生年金額への影響は
ありません。