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経営講座の第76回目です。

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Question
就業規則の記載について

今回初めて就業規則を作ります。
年次有給休暇など、従業員の権利関係の部分は「が労働基準法に
よる」として、明記を避けたいのですが、問題ありませんか。
Answer
厚生労働省の通達によると、「法律による」という記載では不十分であり、
就業規則上で具体的な記載が必要と考えられます。

厚生労働省通達(昭和24年11月24日・平成11年3月31日)によると、
「就業規則はその事業場
における具体的な労働条件を定めなければならないものである」とされ
ています。
特に、休暇や休日、勤務時間や賃金の計算方法など「絶対的必要記
載事項」とされる項目については、その事業場における労働条件として、
労働基準法が定める最低基準を満たしつつ、具体
的に明記する必要があると考えられています。
年次有給休暇もこの絶対的必要記載事項である“休暇”の1つですから
明記を避けることは、労働基準法違反ということになりかねません。
また、年次有給休暇を取得した日の賃金の取扱いや何日前までに申請
すべきか、計画的付与や時間単位付与を行うのかどうかなど、ある程度
会社の裁量によって決定できる部分もあります。
そういった部分を明確にせず、「労働基準法による」としてしまうことは、
かえって会社のリスクを高めることに繋がりかねません。従業員の権利で
ある部分や、その運用にあたっての会社としてのルールなどは明確に
定めておかれることが望ましいと思われます。

ところで、同じく平成11年3月31日の通達によると、育児休業に関する
規定については、育児・介護休業法で具体的な制度内容が定められて
いるため、例外的に「育児介護休業法による」としても差し支えないと
されています。
ただ、これは平成11年3月当時の育児・介護休業法のことを述べたもの
であると考えられます。
その後、幾度かの法改正を重ね、育児休業に関する諸制度も多様化し
会社の裁量で決定す
べき部分も現れてます。したがって、育児休業などについても、育児介護
休業規程などを設けていただき、具体的に定めることが望ましいと思わ
れます。