個人情報保護方針


 

経営講座の第81回目です。

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Question
健康診断結果の管理について

健康診断は従業員全員が受けておりますが、結果については会社は
管理していません。結果の再発行を依頼したことがありますが、本人の
同意が必要でした。受診機関からの案内にも「個人情報のため本人の
同意が必要」と記されています。
この場合も診断結果の管理は必要でしょうか。もちろん善用は会社が
負担しています。

Answer
定期健康診断の結果については、会社に保管義務があります

労働安全衛生法第66条の3において、事業者は法定の健康診断の
結果を記録しておかなければならないとされています。

他にも、労働安全衛生法の運用について定めた労働安全衛生規則
第51条によると、法定の健康診断の結果に基づき、健康診断個人票を
作成して5年間保存しなければならないともあります。
“健康診断を受けさせるが、その結果は従業員に還元するのみで、
会社には一切残らない”という運用になってしまうと、労働安全衛生法に
違反してしまい、労働基準監督署による是正勧告の対象となります。
必ず、会社にて保管されるようお願いいたします。

なお、労働安全衛生法に則った定期健康診断の結果は個人情報に
あたりますが、それを会社が取得することについて、改めて従業員の
同意を得る必要はありません。
政府が発表した『医療・介護関係事業者における個人情報の適切な
取扱いのためのガイドライン』によると、次のように記載されています。

『医療機関等が、労働安全衛生法第66条により事業者が行う健康診断
等を受託した場合、その結果である労働者等の個人データを委託元で
ある当該事業者に対して提供することについて、本人の同意が得られ
ていると考えられる。』

これによると、会社から法定の定期健康診断の実施を委託した病院に
おいて、従業員がその健診を受診する時点で、従業員としては、健康
診断結果を会社に開示することに同意していることになります。
定期健康診断結果の保管が会社の義務とされているのに、別の法律
(個人情報保護法)があるためにこの保管義務が果たせなくなってしまう
ことを未然に防止するための取決めです。

ただ、法定の定期健康診断で義務付けられない診断項目については、
この限りではないので、その部分については、やはり個人の同意が
必要になります。
定期検診以上の内容になる人間ドックを実施される場合は、この点に
ご留意ください。