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経営講座の第96回目です。

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Question
残業時の休憩時間

終業は午後6時なのですが、その後残業をする場合には夕食のための
休憩を取るという暗黙のルールができています。大体30分程度なのです
が、労働時間からその休憩時間分を控除してもかまいませんか。監督署
に指摘されないか心配です。

Answer
暗黙のルールという程度では控除の扱いは難しいと思われます。

(1)労働時間と休憩時間の定義
労働基準法の中には、労働時間及び休憩時間について明確な定義は
ありませんが、判例や通達により、それぞれ次のように定義されています。
労働時間:労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間
休憩時間‥労働時間の途中に置かれた労働から離れることを権利と
して保障された時間

(2)ご質問の場合
以上のような定義からすると、ご質問の場合、「暗黙のルールとして運用
されている30分間が完全に労働から離れている」のであれば労働時間で
はないということになります。そのため、労働時間から控除することは
問題ないはずです。
しかし、暗黙のルールということは、従業員全員がそのルールに従って
いるのか、実際に日々の勤務の中でそのようにしているのかが不明です。
そのため、実際に「完全に労働から離れていること」を第三者(例えば
労働基準監督署)に証明することは困難だと思われます。その証明が
できなければ、監督署としては指摘をせざるを得ず、例えば従業員への
聞き取りなどによる実態調査を指示されるということが考えられます。
休憩時間を就業規則に記載することはもちろんですが、実際にその
時間休憩していることを何らかの形で記録することが肝要です。