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経営講座の第4回目です。
経営講座バックナンバー

今回は、「キャッシュフロー計算書」についてお話ししてみたいと思います。
株式を公開していない多くの中小企業では作成は義務づけられていません。
決算書といえば代表的なもの二つがあります。「貸借対照表」と「損益計算書」です。
株式を公開している企業では、2000年の3月期から「キャッシュフロー計算書」の作成が義務づけられています。
今回は、「キャッシュフロー計算書」とはどういう計算書かをわかりやすくお話ししてみたいと思います。


(1) 利益の内訳を示し、企業の資金体質がわかる

 企業を人間の体にたとえると、「貸借対照表」はある時点の体重を表すと言えます。
「損益計算書」は、一年前と今とで、体重がどれだけ増えたかを表します。
キャッシュフロー計算書は、増えた体重の内訳を表し、よい筋肉がどれくらい増えたのか、あるいは、悪い脂肪がどれくらい増えたのかがわかります。筋肉とは企業にとって商売で稼いだ現金の残高であり、脂肪は借入金の残高と考えられるでしょう。
たとえば、「貸借対照表」では、ある人の体重が70sであることがわかります。「損益計算書」では、1年前に比べて10s増えたことがわかります。
「キャッシュフロー計算書」では、その増えた10sの体重のうち、2sは水分(現金の動かない取引)で体重の変化には関係なく、実質増の8sのうち筋肉が6s、脂肪が2sとわかります。
「キャッシュフロー計算書」で、体重が筋肉(営業活動で増えた現金)で増えたか、脂肪(借金)で増えたかがわかります。
すなわち、利益がそのまま現金になっていればよいのです。
逆に、体重が大幅に増加しても、それが脂肪による増加だといけません。
すなわち、利益が増えていても、それが借入金による増加では、企業の資金体質は悪化します。

(2) 「キャッシュフロー計算書」の基本構造

 「キャッシュフロー計算書」は、会計期間におけるキャッシュの状況を一定の活動に区分して、期末の現金の算出過程を表したものです。


すなわち、「キャッシュフロー計算書」の基本的構造は以下の通りです。
=

これによって、期末に手元の現金が「どのように増減したか」さらに「いくらあるか」がわかります。   
 Point

 
  キャッシュが期中でどのように増えたか減ったかが重要

       ⇒  残高だけでは意味がない
・借りて増えた残高なのか?
・儲けて増えた残高なのか?

                                       

さらに、「キャッシュフロー計算書」では、キャッシュの流れを
営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフロー と
3区分しています。
単なる増減だけでなく、どのような活動でキャッシュが増減したのかがわかり、企業の活動状況を分析することができます。