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経営講座の第127回目です。
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Question
本店所在地の変更登記

現在の社屋が手狭になってきたため、移転を考えています。当社の
社屋はこの1か所だけなので、登記簿上、本店所在地はこの社屋が建っ
ている場所となっています。そのため、社屋を移転するとなれば、登記
の変更が必要になると思うのですが、どのような手続きになるのでしょう
か。また、登記の変更以外に行っておかなければならない会社法上の
手続きがあれば教えてください。

Answer
本店所在地を変更する場合、登記の変更が必要となることが多く、あわ
せて定款の変更が必要となることもあります。詳細は解説をご確認ください。
●解説
(1)定款の変更
本社(法律的には「本店」といいます)の所在地は、会社の定款に必ず
記載しなければならない事項であり、かつ、登記しなければならない事項
ともなっています。そのため、本店所在地に変更がある場合には、登記
に加え、定款も変更しなければなりません。
もっとも、定款に記載する本店所在地は、最小行政区画である市町村
(東京都は特別区) までの記載で構わないとされています。そのため、
例えば定款に「○○市」までしか記載されていない場合に、現在の本店と
同じ市内に移転するのであれば定款の変更は不要です。 定款に所在地
が細かく記載されている場合や、市町村を超えて移転する場合などは
定款の記載を変更しなければなりません。その際の手続きとしては、
法律上、株主総会の特別決議(3分の2以上の賛成)が求められています。
(2)登記の変更
一方、本店所在地の登記は市町村単位ではなく、番地まで記載されます。
そのため、ほとんどの場合、登記を変更する手続き(本店移転登記)が
必要となるでしょう。 本店移転登記をするためには、移転登記申請書を
法務局に提出しなければなりません。 各地の法務局は管轄するエリアが
決まっており、そのエリア内で本店を移転するのであれ ば現在の本店を
管轄する法務局で手続きをすれば構いません。 しかし、管轄のエリアを
超えて移転する場合、申請書は移転先の法務局にも提出する必要が
あります。つまり、申請書が2通必要ということです。もっとも、現在の
本店を管轄する法務局に2通まとめて提出することができるため、2通を
別々に提出する必要はありません。 そのほか、定款変更も実施している
場合、それに関する書類(株主総会議事録や株主リスト)が必要になる
など、細かな指定があります。法務局への事前の確認が肝要です。